top of page

ブログ

個人の意見とか独断、偏見が混じった内容が混じっています。またブログ内の文章は常体です。あらかじめご了承ください。

執筆者の写真taisyo takaguchi

EVカートに参戦してきた話① 〜合同練習編〜


もうかれこれ1ヶ月以上前になってしまったが、海の日に行われた全日本カート選手権に代役で参戦した時のことを書こうと思う。改めてお世話になった皆様ありがとうございました。



事の発端は6月末に遡る。TOM'Sから参戦している松井選手が海外でのレースのため、1つ枠があるとのお達し。そしてそれをオーディションで決めるとのことだった。合同練習会がメインとのことだったが、おそらくスケジュールの内容的にレースフォーマットを決めるためにも必要だったのではと思われる。


オーデイション(合同練習会)は10分が3本、1周TT、20周の模擬レースというもの。その中で新品タイヤを入れるタイミングは自由、戦略も各個人に任されていた。

この日はそれなりに気温も高く、路面温度も高かった。そこで自分の中で、次のようにプランニングした。同時に目標も決めた。

練習1本目 中古タイヤ ショートスティントで内圧テスト、体の慣れ優先

練習2本目 中古タイヤ ロングスティントで体力だったりバッテリーだったり確認

練習3本目 新品タイヤ 皮剥きと1周アタックの練習を1,2回


目標:現役のEVドライバーより速く走って、オーディションで自分を指名しなかったことを誰でもいいから後悔させる。


ここ最近はレーシングカートにも乗っていなかった(5月のオーディションで乗ったがその前は更に半年くらい前まで遡る)ので、まずは現役カートドライバーやプロドライバーとの走らせ方の違いをチェック。するとどうやら僕は昔の走らせ方らしい。平成生まれなのに昭和みたいな走らせ方だねって言われたがそこは気にしない。細かい話は会った時にでも是非聞いてほしいが、簡単にいうとめっちゃインリフトさせる感じ。「コーナーなので曲げてます!!!」くらいのイメージ。それに対して現役とかプロドライバーは滑らかに曲げていく。これができないから僕は速くなれなかったんですね分かってます。


ところがこのEV車両、車両とドライバーを合わせて約200kg近い重さを持っている。これはレーシングカートでは最も重い。ちなみにタイムなどが似ているSenior MAXで160kgといえばその重さは伝わるだろうか。その上コースは狭いために、曲げるのにかなり苦労する。その点で自分の走らせ方は合ってそうな雰囲気も出している。


中古タイヤでそれなりに周回を重ねたところで新品タイヤを最後の練習で投入。前戦SUGOからスペックが変わっているそうでそれも含めてのチェックだが、さほど問題はなし。グリップが高すぎてちょっと突っかかる感じがあるが、それはまぁ加減速でなんとかなるだろうといったところだった。


1周の模擬TTはくじ引きで順番を決定。ここでプロドライバーは「今日なんてどの順番で走っても変わらんでしょ」みたいなこと言ってた。流石パイセン。まぁ気温と台数、路面的にラバーが乗って有利とかあんまなさそうだし正直同感。余裕があるとかじゃなくてほんとに変わらないと思ってた。が、現役ドライバーは最初の方になったらあんまり浮かない顔してた。まぁ普通は後の方が有利だもんね〜とか思いつつ準備に入る。

自分のTT自体は1コーナーでミスしうまくいかなかった。その後なんとかまとめて全体としては6割くらいの出来だったがまさかの2番手。しかもポールが今回レースに出ない松井選手というなんたるグリッドか。これでは誰が代役になっても彼女以上の成績は残せないじゃないか。しかも2番が僕ですか。またミスターセカンドとか呼ばれるやん。せめてもう一個上か下の順位でしょ。なんで2位やねん。


と、そんな感じで迎えた模擬レースだが、実は模擬レースの時点ではグリッドの関係上1位がアウト側、2位がイン側だった。無難にスタートしたら普通に2番の方が有利な状況で、まぁ可もなく不可もないスタートを決めてトップに。その後イエローで減速している間にピッタリ張り付かれ、イエロー解除された次のコーナーで油断していたところを刺され2位に転落。現役バリバリは鋭すぎますね。

さて困ったのは予想より予想より速いペース。当初の予定ではベストが25秒2~3、平均ラップは25秒真ん中くらいだろうと踏んでいた。事実、当日の練習や今年初めのオーディションを見てもせいぜい25秒前半であった。


ところがレースペースは思いのほか上昇、中盤では24秒台に入るペースとなる。ちょっと待ってください松井さん。速すぎです。そのペースで走ってて体力持たないです。特に首が。

と焦る僕を尻目に、前の松井選手は淡々と走り、後ろからは猛烈にプレッシャーかけてくるプロドライバー。しかもみんな滑らかに走るために平均スピードが高く、クリップつくまでに追突されそうになる。周りが上手いので合わせてくれてる感があった。こっちからしたらなんでそれでそんなに速く走れるのかわからないがとりあえず申し訳ない。とはいえそこそこのペースもあり、後ろと若干の距離ができる。そして迎えたラスト2周。




首が逝った。

もう一度言う。  首が、逝った。




激しい加減速に狭い中限界プッシュ。タイヤもバッテリーも問題ないのに人間が先に悲鳴をあげてしまった。

加速するたびに首引っ張られる。減速する時は特に問題なくても、アクセルを踏めば自然と視線が上に向く。ラスト2周でコンマ3秒ほども落としてしまい、最後はまた追い詰められてのチェッカーだった。

結果海外に飛び立つ松井選手が優勝で僕が2位。おいおい代役ってあまりにも不甲斐ないとやばいじゃん。。。オーディションに来た人みんなあなたに負けましたよ。代役誰か務まりますか?


と、不安を抱えながら帰宅する途中に代役決定のメール。こうしてレース出場が決まったのでした。


レースはどうなるのか?プロと現役の混じる豪華なメンバーに、全日本未勝利チャンピオンはどこまで戦えるのか?

次回、「表彰台を逃す。」 お楽しみに!




閲覧数:7回0件のコメント

最新記事

すべて表示

スポーツ戦略論①  プレイヤーは性格が悪い

大学の授業を受けていたら無性に自分も15回分の授業を作ってみたくなった。制作しながら思うが、どれだけ自分の興味がある分野だとしても90分を15回、喋る分の資料を作るのはとんでもない苦労である。何事もやってみなければ本当の大変さや達成感は味わえないわけで、そういう意味ではいい...

マリオカートもレーシングカートも、本質は一緒である

最近よくマリオカートをプレイしているのだが、そういえば学生時代に(今も学生だが)自分がレーシングカートに乗っていることを他の人に説明すると、よく「マリオカートみたいな?」と言われていたのを思い出した。 今でもいう人が多いかもしれない。そして最初は「そんなんじゃない!!!」と...

Comments


bottom of page