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個人の意見とか独断、偏見が混じった内容が混じっています。またブログ内の文章は常体です。あらかじめご了承ください。

執筆者の写真taisyo takaguchi

EVカートのオーディションを受けてきた


まず初めに、今回オーディションに参加するにあたりご協力いただいた皆様、株式会社トムスの皆様、ありがとうございました。結果は残念でしたが、様々な取り組みによって今後更に盛り上がることを期待しています。




と、書いたところで。

実は、というかJAFの記事やジャパンカートさんのXからばれているが、EVオーディションに参加してきた。今回はその内容や個人的見解、そして今後の予想について独断と偏見を交えて書いていく。

ドラフト会議を見ていた直後はショックでこれを記事にする余裕もなかったが、1日経てばショックもなくなる。案外人間、そういうものなのである。



1 オーディションの書類選考、応募期間は約3日!?


 今回のオーディションは書類選考→実走行の流れだったが、書類の応募期間はプレスリリースがあってからわずか3日だった。まぁカート界隈のメディアさんが一斉にだしたので情報を受け取るまでに差はないが、迷っている間に終わってしまう。

 正直なところ通るかな、通ればいいな、なんて思いながらの応募だったので、この時はまだ気が楽だった。

 カートの経歴は5年も前、四輪の経歴もそこそこのものは2~3年前だったので本当に通ると思わなかったのである。年齢的にもカートを現役バリバリでやっている人に比べればちょっと上(三村大先輩を除く)だし、みたいな選ばれない理由ばかり考えていた。というかそう考えることで選ばれなくても心理的にショックを受けないように保険をかけていたと言える。

 ところが後日、2次審査に進むことができるお知らせが届き、ここから急激なダイエットが始まる。


2 2次審査までの1週間に及ぶ、ー6kgのダイエット


 通ってからはそれはそれはもう落とせる方法を全てやった。

 サラダチキンとかサラダを昼に食べて夜は食べない、どうしても食べたくなったらこんにゃくゼリーを食べる。

ランニングして、サウナ行って、これを1週間繰り返した。

 流石に最後の1日はそんなに落ちなかったが、それまではもう破竹の勢いだった。

 80弱あった体重を70前半キロ台まで落とし、(実質6キロ落ちていた)東京へと向かうことになる。


 ちなみにEVカートの規定はドライバー、カートを合わせて190kgである。EVバッテリーにより車重が重く125kg程度のため、ドライバーは装備品込みで65kgで丁度となる。つまりそれだけ落としても尚、10kgのウェイトハンデを自ら背負って挑むことになった。これは僕の今までの生活のせいだし非常に後悔しているがもう遅い。


3 当日走行は、たったの10分


 実を言うと前日入りして夜に少し乗車したのだが、その時は同じオーディションに受ける子と比べて1秒遅かった。レンタルカートで1周30秒ちょっとのコースで1秒遅いとか余裕で落ちる。。。 今でも一緒に乗った子の「こいつには勝てるわ」みたいな顔を覚えている。






 受付が8時半からだと言うので8時過ぎに到着したが、その時には全員受付が終わっていたとのこと。あれ?そんなゆるい感じなんですか?みたいな。

せめて自分の走る順番くらい自分でくじを引いて決めたかったが、しょうがないので受付を済ませる。まさかと思ったけど一番最初。現役ドライバーの走り見てなんとなくイメトレしたかったなと思いつつ準備をしていく。


 レンタルのEVカートで走ると31秒〜32秒のコースだが、全日本仕様のコースで走ると25秒になる。休む暇なくコーナーが来る上にコース幅も狭くテックバリアが固定されているので、正に「市街地コース」の印象。僕がいく前に行われたテストでは25秒2とか3がトップ、だが25秒に入れられる人が半分もいなかったとのことで、現実的には25秒に入れるところからどこまで上げれるか、に重点を置いて少しばかりイメトレ。

走行は全員同じ条件にするため1人10分間、全員ニュータイヤからのスタートである。

大体5分程度でピットに戻り内圧を調整してコース復帰、最後にベストを出すのがセオリーである。


 さて結果だが、グループ2番手、当日の3番手。全体6番手という超微妙なところ。

25秒7で非常に微妙なラインに立ってしまった。悪くはない。悪くはないが、良くもない。しかもグループにもう1人速い子がいたおかげで目立ちはしない。

 よくいる「シングルあたりを走ってるけど単独走行のせいで動画とかには映らないし、レポートに書くこともないドライバー」の完成である。

 とはいえ10kgのウェイトハンデがあってこれならレースまでにもっと痩せて速くなるという期待がかかるのでは???と思ったが多分そもそも重いのがマイナスに捉えられているのであんまり効果なし。


走ってみた感想としては、とにかくトルクがすごい。アクセルを踏んだ瞬間の加速感が半端なくて、少しでも舵を残しているとアンダーのまま吹っ飛んでいく感じ。でも車はよく曲がるしよく加速する。本当に楽しかった。

夢のような時間でしたありがとうございました。


走行後には面接。一部の人からは最終ラップにベストラップを出したのが高評価だったようで、その評価を持って当日は終了。そしていよいよ、緊張のドラフト会議が始まる。



4 無駄な期待とドラフト会議



26秒とかで圧倒的に遅ければ諦めもつくものの、周りからターゲットと言われていた25秒台をクリア、総合でもそんなに悪くないところにいたおかげで変な期待をしてしまう自分がいる。

2チームが女の子を取るのは分かっていたので、実質枠から考えると落ちるラインだが、もしかしたら、と考えていた。

そしてyoutubeで始まるドラフト会議。野球と一緒でチーム代表が希望選手を選択、被ったら封筒を選んで印があったほうが獲得できるというお楽しみな方式。



一切名前が上がることなく終了。これで夢が現実になりましたとさ。

自分より速い人の名前が全員挙がっているので何も言えず。悔しさと妙な納得と共に、今回のチャレンジは幕を閉じた。





わざわざご精読いただきありがとうございます。これで僕のオーディション編は終わりですので、ここで戻るを押していただいても結構です。


暇な方は下にある、ちょっとした個人的な意見を書いてみましたのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。



















「金銭面」のハードルを、どのようにクリアするか?


 EVカートにおいてはトムスがメンテナンス費等を負担することで、参戦側のコストを減らしているという説明があった。これについては大いに賛成で、レースに出るための1番の問題はコストである。社会人の一般人の年収と同等かあるいはそれ以上の金額がかかるレースは、それだけで敷居を上げている、と言える。

 とはいえ、今回のようにオーディション形式でドライバーを決定する場合には、まず実績がいる。今回のオーディションに選ばれたメンバーを見れば、それはそれは豪華なメンバーだった。そしてこうも思う。「彼らは一体、それだけの実績を得るためにあるいは参戦するために、いくらかけたのだろう」と。

 すなわちこのEVレースに出るオーディションのために、他でレースをして実績を積まなければならず、結果的にコストが上がるように思う。今回は応募者がいなかっただけかもしれないが、今後シミュレーターやグランツーリスモから上がってくる人がいれば、そのような人たちはカートに比べたらコストはかからないかもしれない。ただ現状では、やはりカートをやっている、あるいはやっていた人の方が強い。「参戦の裾野を広げる」ことができるかどうかは、今後に注目したい。



あのサーキットで、バトルを起こせるか?


 今年の全日本カート選手権EV部門は、最初の大会がスポーツランドSUGO西コースで行われ、残りは全てオーディション会場となったシティサーキット・東京ベイで行われる。1周25秒のコースなのはもちろん、気になるのは「カートの醍醐味の1つである超接近戦が、どれだけできるか」である。カートが2台分とちょっとの幅しかないコース幅に、接触すれば即ダメージを負うバリア。今年のF1モナコグランプリではないが、

「スタートからフィニッシュまで順位の変わらないレース」が多々生まれるかもしれない。


 ちなみに去年や一昨年のレース距離から計算すると、東京では決勝が40周近くになると予想される。仮に1周25秒とすると、1周あたり0.625秒のギャップがあると周回遅れとなる。台数とコース全長の関係上予選落ちがあるそうだが、とはいえトップとその下が少しタイムギャップがあることを考えると。。?といった感じである。


今年の予想:3人が分け合うのでは???

 ドライバーを見て、そして現地で自分が感じた限りでは、今年のウィナーは3人になるのでは?と感じている。それはオーディション組1人と選抜組(チームが既に決めた人)2人であるが、彼らはいずれもカートではベテラン組に入る。10代のドライバーにも頑張ってほしいが、練習量が少ないEV部門ではそれまでの経験の差がもろに出ると予想。その差を縮めることはあっても、上回るところまで行けるかどうかと言われると。特に今回はオーディションで最も速かったのが大ベテランなので、そうなると希望の光は隙間に差し込む程度である。

 チャンスがあるとすれば、最初のSUGO大会。ここでEVの「クセ」を掴んだ若きドライバーがいれば、その後の脅威となるかもしれない。



最後に

今回かなりのハンデを背負っての走行だったが、自分が思っていたよりも良かったとは思う。結果だけ見れば選ばれてないし、誰に報告するにしても「落ちました」で終わりだが、自分だけはそこに至るまでを褒めてやりたいと思う。

同時に、5年も前のドライバーに負けている現役生にはやはり、もう少し頑張ってほしいな、と思う。

経歴だけ見れば確かに全日本チャンピオンとMAXの日本代表というそれなりの実績だが、それはもう5年も前の話なのだ。僕にとっては一生物の肩書きだが、カート界においてはたくさんある年数の中のたった1年の1人に過ぎないのである。まして乗らなくなって太りましたなんて人、逆の立場だったら絶対に負けたくない(笑)。

そういう訳で今回は非常に楽しませてもらいました。

おわり。



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