昨年私は大学のゼミの中で、1年かけて研究を行ってきました。今回は、そのきっかけと先行研究を簡単に紹介します。次回の記事では結果と考察について紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
きっかけは、youtubeを見ていたときでした。最近は入る広告の数が増え、スキップできないものもしばしば。
スキップできないものはストレスが溜まるし、スキップできるものはとにかく飛ばす。決していい状態ではないのです。以下の画像は、実際のリサーチ調査で得られた結果です。20人のうち19人がほぼスキップしている現状なのです。
そこで、この広告を2倍速にして7秒くらいのスキップできない広告にしたらいいんじゃないか、という仮説を立てました。これにより、
・視聴者のストレスが減るのではないか
・早くなることで視聴者が耳を傾け、逆に認知されるのではないか
・広告を出す側も宣伝広告費が抑えられるのではないか
という3つのメリットがあると考えました。また、デメリットとして、
・早すぎて内容が入ってこない
という点が挙げられました。
先行研究
先行研究では、以下のようにまとめられていました。
①映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析
長濱澄, and 森田裕介. "映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析." 日本教育工学会論文誌 40.4 (2017): 291-300.
これは授業の映像を1倍、1.5倍、2倍にした状態で生徒にみせ、その内容を後からテストを行い、点数によって分析するというものです。結果としては3つのグループに大きな違いはなく、2倍にしても内容が読み取れることが分かりました。
②話すスピードと説得力
藤原武弘 態度変容と印象形成に及ぼすスピーチ速度とハンドジェスチャーの効果 心理学研究 57 (4), 200-206, 1986
話すスピードが速い分には説得力が上がることがこの論文により言及されています。
メンタリストのDAIGOさんやひろゆきさんなど、専門家が他の人に比べて早口なのが想像しやすいかと思います。
③スピーチ速度が態度変容に及ぼす効果
川崎智博,and井手口健."動画映像から受ける印象の因子分析と映像再生速度の各因子に与える影響"電子情報通信学会論文誌 AVol.J85-A No.9 pp.1022-1025(2002)
速いスピーチ速度のほうが活発的な印象を上げることが言及されています。
これらの先行研究を用いて、仮説が正しい方向であることを確認して、本研究に臨むことになりました。
本研究と結果は次のブログで公開しています。よかったらご覧ください。
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