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レースの窓 #1 SFのOTSを別の角度から

  • 執筆者の写真: taisyo takaguchi
    taisyo takaguchi
  • 7 日前
  • 読了時間: 5分


一発目に何を書こうか悩んだけど、最近SFがめっちゃ盛り上がってるからこの関連で。

今回は、独自のシステムであるオーバーテイクシステムの使い方とコースごとの特徴、あとはちょっと個人的に思う影響について独断と偏見でお届けします。



そもそもOTSってどんなシステム?


これについては以下の動画でわかりやすく解説されている。


簡単にいうと、ボタンを押すことで燃料の噴射量が多くなり、パワーが上がるというもの。ただしこのボタンはいつでも押せるわけではなく、一回使うとその後大体コースの1周分くらいは使えない時間が存在する(正確な時間はコースや大会によって違う)。

また、決勝ではこのシステムを使える制限時間も設定されており、大抵の場合は200秒である。つまり1レースの中で200秒しか使えず、しかも使ったあとは1周分使えない時間が続くという制限付きのパワーアップシステムである。



みんなどんな時に使ってるの?

①スタート

序盤の混乱でポジションアップするため、スタートを決めるため、スタートの出遅れを取り戻すため、、、様々な思惑は存在するが、1つ確かなのは、「一番車両が密集している状態」であること。少しでも上のポジションに上がるため、あるいはスタート直後で引き離すために結構押している人が多い。ただ丸一周そのあと使えないので、あえて取っておいてまだ引き離されず他の車両が使えない2周目に使用する人もいる。この辺は駆け引き次第なので大会毎に別れる。富士のようにスタートから1コーナーまでの距離が長い場合は有効だが、sugoや鈴鹿(意外である)のように若干短めの距離の場合は活かしきれなかったりもする。


②純粋にバトルしている時

言わずもがな。前の車を抜く時にも使うし、後ろから迫られてる時にブロックするためにも使う。最近はSFGoでしか見れないので、大体チームのスタッフやエンジニアがこれをみながら周りの車の状況を確認している。


③インラップ、アウトラップ終わり

相手がピットを既に終えており、自分がこれからピットに入る時にはその差を少しでも自分に有利にするために使う。要はペースアップである。オーバーカットを成功させたり、アンダーカットを阻止するために使われるタイミングだが、場合によっては使わない方がいいこともある。特にアウトラップの微妙なタイミングで使うとそれを逆手に取られ、次の週で逆転される可能性もあるからだ。最もフォーミュラマシンのような空力が凄まじい車両の場合、一度前に出られると抜き返すのはかなり難易度が上がるわけだが。



さて、そんなわけでOTSはいまやSuper Formula で欠かせないアイテムとなっている、これによって多くの名勝負が生まれてきたし、退屈だと言われきたフォーミュラレース(以前はオーバーテイクが少なく、スタートとピットくらいでしか順位が変わらない時代があった)が面白くなっている。



このOTS、本当にパワーアップだけがメインなのだろうか???

実は僕の中で、1つある仮説が浮かんだので今回はそれを書いてみることにする。それはすなわち、「燃料軽くなって使った後の方がタイムは出やすくなるんじゃないか?」というモノである。

このOTSを使うことでその場でパワーアップするのは自明の理である。それ以外に何かメリットはないのだろうか、そう考えてこの仮説が生まれた。これについて少し検証したい。


上記で紹介した動画によれば、現在使用されているエンジンに供給される燃料の量は、1時間あたり90kgに制限されている。これをOTSを作動させることで、1時間あたり100kgまで流量を増やすことができるというシステムだ。つまり計算式は以下のようになる


200÷3600=1/18

10×1/18=0.55・・・


つまり、おおよその計算ではあるが200秒使い切ると0.5kg軽くなる計算である。


SFの最低重量が670kgであることを踏まえると、0.07%程の重量変化になる。これを大きいと捉えるか小さいと捉えるか。。。


今のSFはとても敏感な車で、車高とかもコンマ何ミリ単位で調整している。たかが500g、されど500g。本当に、無視していい影響なのだろうか?こればっかりは、現役エンジニアに聞いてみるしかないと思うので、気になる人はぜひSNSをやっているエンジニアとかに聞いてみてほしい。


ちなみにGPTにOTSの他の利点を聞いたら以下のように返答が来た。

① OTS使用で“エンジン温度が上がる” → 冷却戦略に影響

②OTS使用で“タイヤ表面温度が上がる

③ OTS使用で“ドラフティング環境の空力圧力が変わる


うーん、まぁ確かに夏場だと冷却とかにはちょっと影響ありそう?一回夏のレースを見直して、後ろについた車が車体を半分くらいずらしたりしてないかチェックしてみよう。

②に関しては正直疑問。それでホイールスピンとかしてたらそりゃ上がるだろうけど、レース中そんなことしてないし。

③はちょっと考えた方がいいかもしれない。OTS使ってスリップ圏内に入れたとすると、当然だけど空気は薄くなる。その状態で燃料の流量上げると。。。?

スリップ入ってるのに横に並びに行けないとか、抜きにいけない時、実はこの辺も関係していたりして。よくウィングの角度やエンジンメーカーの違いで説明されるけど、果たして本当にそれだけなのだろうか?

どんな事象も、まずは疑うことが大事。疑わないと次の変更もないし、更なる速さが生まれない。というわけで、これからは色んなことに対して疑問を持って生きようと思うのであった。

 
 
 

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